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言の葉つづり

母へ

夜、母さんの寝顔をみる。
シワだらけの顔が、だんだん、仏様のお顔に似ていくような気がする。

若い時は気丈な母さんだった。
負けずぎらいで、白黒はっきりつけないと、気がおさまらない人だった。

そんな母さんを、「あんな風に、勝ち気にだけはなりたくない」と思った時期もあったけれど・・・

考えてみれば、母さんの人生も苦労だらけ
子供の時は戦争
原爆手帳ももっている
生きるか死ぬかという時代を経験してきた

戦争が終わったら、食べるものがない。

知人を頼り、田舎へ住む
祖母と一緒に、着物とお米を交換してもらうため、近所の家々を歩いたという。

食べられるから、田舎へ嫁に行く。
したことのない農作業。
しゅうとめとの確執。

そりゃあ、気丈でないと、ここまで生きてこられなかっただろう
勝ち気でないと、生きてこられなかっただろう

シワ一本一本が、苦労を物語る寝顔

永遠の命はない。
だから、だんだん仏様のお顔に似てくるのか・・・

母さんの寝顔に”尊敬”という気持ちがわいてくる。

心から”母さん、ありがとう”


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